春の文左衛門大会

中野芸能小劇場にて
柳家小ぞう  「金明竹
橘家文左衛門 「寝床」
柳家喬太郎  「ハンバーグが出来るまで」
仲入り
文左衛門・喬太郎 「道灌」
橘家文左衛門 「短命」

文左衛門「寝床」。芸人仲間を長屋の住人に仕立て、義太夫の会に来れない理由を語る体裁で彼らの日常を暴露する。これがあれだけ受ける客層というのはいいんだか悪いんだか。まあゴールデンウイークの真っ只中に中野芸能小劇場に出向いて文左衛門を聞こうという人たちだからそんなもんか(自分のことは棚上げです)。
芋の煮付けを取ろうとした男が義太夫の直撃弾を受けて苦しむという演出、面白くってようがした。

この日一番は、文左衛門・喬太郎の両師に怒られそうだが、二人掛け合いの「道灌」。アドリブの効きも良く、落語でありながら、対談のような匂いもする不思議な高座でした。文左衛門八五郎は「歌道に暗い」の意味を聞く前に、そして、「七重八重」の歌の文句を書いてもらう前に、隠居宅から帰ってしまおうとする。「だってこっちから言うのもヘンでしょ」と喬太郎隠居。二人の息がぴったりと合っているのに(喬太郎いわくこんなに合ったのは、扇辰、遊雀以来だとか)すごくゆるい空気が流れる何とも面白い道灌でした。同じ組み合わせで今度は「天災」を見てみたいな。もちろん、文左衛門八五郎vs喬太郎(隠居+紅羅坊)。