ビクター落語会

仏教伝道センターにて
春風亭正太郎 「牛ほめ」
春風亭正朝  「悋気の火の玉」
柳家権太楼  「死神」
仲入り
橘家文左衛門 「天災」
春風亭正朝  「薮入り」

好二郎の会が終わって横浜から三田に。本日は落語会のはしごである。

正朝を久しぶりに聴く。独演会に偏った聴き方をしているせいか、寄席の匂いがする正朝の芸がとても新鮮に感じられる。客の反応を一つ一つ確かめて次に進んでいくマクラはまるで熟練の釣り師のようで、目の前に揺れる餌に食いついては上手に釣り上げられてしまう。それが何とも心地良くて大満足の「悋気の火の玉」。
文左衛門は似合いすぎの「天災」。あまたの噺家が演る「天災」八五郎の中でも、その単純さと粗暴さでは文左衛門がピカ一だろう。粗暴な八五郎を全面展開しながらも、良い意味でゆるさが残る高座はこれまた寄席的で、しばらくご無沙汰している定席に行こうかなという気持ちになった。