文我・市馬二人会

にぎわい座にて
桂まん我 「時うどん」
柳亭市馬 「掛取漫才」
桂文我  「ほうじの茶」
仲入り
桂文我  「不動坊」
柳亭市馬 「夢の酒」

前半は、文我いわく「学芸会」。
市馬掛取は狂歌相撲甚句・喧嘩・芝居と来て最後は三橋美智也。実に楽しそうに演じていて、こちらまでご機嫌に。
文我はもっと凄い。高座で義太夫の太棹とヴァイオリンを演奏するという飛び道具を披露。
芸のない幇間、茂八に客である若旦那が意見をする。「ちゃんと芸の精進をするか。精進せんのやったら、もう贔屓はやめる。さあ、どっちにする?」。茂八の答えは「精進はやめときます。その代わりに、世にも珍しいものをお見せしますので、贔屓を続けてほしい」。知り合いから借金のかたにもらった中国の茶を懐から取り出し、これを焙じるとどんな芸でもできる幇間が出てくると言う。
最初に登場するのが踊りの名手。次が義太夫語り。太棹をかき鳴らしながら、犬のおまわりさんで浄瑠璃を唸る。これが凄かった。
おうちーをきいても ♪ベン わからないッ ♪ベンベン
仲入りの時に米朝事務所の方に伺ったところ、ハトポッポバージョンもあるとか。それも聴いてみたかった。
次のヴァイオリン演歌にも大笑い。
ラーメちゃんたらギッチョンチョンでパーイのパーイのパーイ
パーリコとバーナナでフライ、フライ、フライ
聞き覚えのあるメロディーと歌詞。これが「東京節」ということを勉強した。
文我師の多才ぶりを堪能の一席。

後半はぐっと本格的に「不動坊」と「夢の酒」。
不動坊はみっちりたっぷり。夢の酒はさらりと軽く。お二人の持ち味が実にいいぐあいにかみ合った落語会。こんなに面白かったのに客の入りがあまりよくなかったのは、残念と言うかもったいないと言うか。