立川志の輔独演会

相模原市民会館
立川志のぽん 「つる」
立川志の輔  「みどりの窓口
仲入り
立川志の輔  「ねずみ」

このところ、安田生命ホールとにぎわい座の志の輔独演会はことごとくチケット獲得に失敗している。こうなりゃ地方(相模原の方すみません)公演にでも行くかと足を伸ばしました。といっても、自宅からそう遠くはないんだけどね。
相模原市民会館は立派だった。キャパは1300弱。池袋演芸場の10倍くらいあるのではないだろうか。やはり以前、茅ヶ崎くんだり(茅ヶ崎の方すみません)まで志の輔を観に行ったことがあるが、当地の市民文化会館も豪勢だった。日本全国の市区町村にそれぞれ最低1つはこんな立派なホールがあるかと思うとクラクラしてくる。全国の公民館やら市民ホールの座席数総数ってどれくらいになるのだろう? 市町村合併が本格化する以前の昭和末の時点で全国の市町村数は3000以上。それぞれが1000人規模のホールを1つ持っているとして300万座席。これを1年間回転させると10億座席! 文化国家の面目躍如というべきか空恐ろしくなるほどの民業圧迫というべきか。
でもまあ、ここまで大きい市民会館となるとそんじょそこらの出し物では埋まらないだろう。これを埋めてしまうのだから志の輔はすごい。落語家で他に埋められとしたら・・・うーん片手で余るだろうな。巨大なイベントスペースと立派な舞台設備がほとんど稼動しないまま日本の津々浦々にポカーンと存在している光景を想像すると・・・。


いやいや、そんなことよりも落語である。茅ヶ崎の時は確か「みどりの窓口」(もしかしたら「親の顔」だったかも)と「井戸の茶碗」だった。前半は爆笑系の新作、後半は人情味あふれる古典という構成は今回も同じ。この構成は、落語や志の輔をはじめて観るという観客もかなり多いであろう地方公演では最良の組み合わせだと思う。落語ってこんなに面白いんだ、志の輔ってこんなにうまいんだと満足させるには最も向いた組み合わせ。志の輔ファンにとっても肩肘張らず楽しく過ごせる時間でした。