昔昔亭桃太郎 三番勝負

池袋芸術劇場
昔昔亭A太朗 「権兵衛狸」
昔昔亭桃太郎 「勘定板」
立川談春   「天災」
仲入り
対談
昔昔亭桃太郎 「柳昇物語」

さて、この会に関して何を書けばいいのだろう。
それが聞き手の勝手な思い入れであったり、見当はずれな意見だとしても、これまでに関しては、自分の落語経験に照らして「これを書こう」というもののが割と苦労なく見つかった。今回に関しては何を書いても嘘になってしまう予感がある。それくらい桃太郎は規格外だ。
まるで動かない顔面の下に隠されている知性や悪意がつかみ切れない。もしかしたら、そんなものは何もなくて、いわゆる天然なのかもしれないという可能性だってある。いや、ないだろうな。天然だと思えば、とりあえずそれ以上思い悩む必要がないから、そうであってほしいという願望が働いているだけだろう。
存在自体が反則ギリギリ。談春という正反対のキャラクターは桃太郎の危なさを際立たせた。