立川談春独演会

高津市民館にて
立川談春 「お化け長屋」
仲入り
立川談春 「五貫裁き

食品を買いにしょっちゅう出向いている溝口ノクティーの上階にこんなホールがあるとはうかつにも知らなかった。家から至近ということで子供たちを預け、久しぶりに家人を誘う。ところがなかなかやってこない。後で聞いたら、川崎市民プラザ(梶ヶ谷)が会場だと思ってそちらに向かったらしい。誰もいない真っ暗な駐車場を不審に思いチケットを見直したら会場が違う。慌ててノクティーに転進したとのこと。肩で息をして到着したのは出囃子と同時でした。この粗忽者め。
その出囃子はいきなり鞍馬で談春登場。「いじわるをしているわけではない」と言う。なんでも会場の都合で8時40分には終わらせねばならないらしい。マクラもそこそこに長講2席かなと思ったら、幽霊のマクラをたっぷり振る。「怪談と猥談が上手な人はしゃべりのセンスがある」という話には納得。もっとも「幽霊とは磁場の影響で脳がバグを起こして見えるもの」なる理論はいかがなもんでしょう? 神社での落語会で出遭った禰宜時代の江原啓之なんて話を交えてタラタラ進む緩いマクラからはリラックスぶりが伝わってくる。都心から離れた落語会だから、アウェイの覚悟かと思ったら、完全にホームのノリ。確かに周りには見知った顔が数多くあり、川崎で600人程度のキャパの会場だと談春ファンで埋め尽くされるのでしょうね。20分ほどのマクラに続いて「お化け長屋」。

後半スタートは20時。終演時刻を予告されると残り時間が気になるもので、あと40分だと今度こそマクラなしかなと思っていたら、「さっきの話で思い出したんだけど」と自らの幽霊体験を語り出す。長くなるので割愛するが(興味があれば、ほかの方のblogでお読みください)、談春父の人柄が良くわかる面白いエピソードでした。それに続いて話し出したのが今後の根多選択にかかわる苦悩。これに関してはいつもの「書いちゃダメ」指令が出たので、それを尊重する。「書いちゃダメ」と言う以上、当然、師匠がらみの話になるわけで、あの場に足を運んだ余禄としてありがたく頂戴し、黙して語らずといたします(興味があれば、ほかの方のblogで探してください。きっと見つかるでしょう)。師匠の根多から「五貫裁き」で終演8時45分。

そんなこんなで本日は「皆さんに心を許して話したんだから」と言うマクラが実に興味深い独演会でした。