柳家小三治独演会

横浜にぎわい座

柳家太夫 「元犬 」
柳家小三治 「湯屋番」
仲入り
柳家小三治 「茶の湯

太夫。芸は悪くないんだけど退屈なんだよな。聴く者をぐっと引き付けるインパクトがない。華がないならないとして喜多八のような路線だってあるわけだし。

小三治は、寄席太鼓の話題から好きな歌へと長い長い枕を振る。途中、二階席から大きな独り言が。早く噺を聴きたいらしい年配の客が嫌みったらしく長い枕への不満を言っているようだった。そんなに嫌なら席を立てばいいじゃないか。周囲を不快にさせるこうした客を劇場側はつまみ出すべし。
確かにこの日の長いまくらは爆笑を誘うようなものではなく、少々ダレてはいた。でもいい。タラタラと自分の世界を枕で語るのを聴くのも、僕にとっては小三治独演会の楽しみの一つである。

妄想の世界に入り込んで何とも楽しそうな「湯屋番」の若旦那を見ているとこちらまで幸せになってくる。
茶の湯」は、のんびりとした旦那と定吉の掛け合いが、これまたふわふわと楽しい気分にしてくれる。