朝日名人会

有楽町朝日ホール

柳家小きち  「牛ほめ」
三遊亭歌彦  「反対俥」
柳亭左龍   「普段の袴」
柳家さん喬  「文違い」
仲入り
柳家喜多八  「落語家の夢」
桂文珍    「不動坊」

NHK-BSで「ちりとてちん」の1週間分をまとめて見る。今週はほぼ毎朝みていたけど、こうしてまとめて見て、このドラマ、1週間間単位できちんとサゲが付いているのに気づいた。月曜日に「寝床」のマスターのコンサートから始まって、土曜日にはその「寝床」での一門会で終わっている。山口文憲氏説くところの見事な「首尾一致」。それにしても土曜日の回は泣けました。
「徒然亭一門会」の後は「朝日名人会」。初めて参りました。
昔は「東横落語会」によく足を運んでいたが、最近は、紀伊国屋寄席にも国立名人会にも行っていない。歳を取るとともに、柔軟性がなくなってきたのか、この手の何人も落語家が出てくる会に触手が伸びなくなっていた。でも、今回は、久しぶりにさん喬さんが見たかったのと、喜多八殿下@朝日名人会という違和感に誘われて行ってきました。
それにしても立派なホールだ。ロビーは広く清潔で、ホールの椅子はややレトロチックで重厚感がある。客層も普段行っている落語会と比べるとかなり高めである。ほんとにここに喜多八が出てくるの?と思ってしまった。でも、まあ博品館での独演会で「だんだん銀座が似合う男になってきた」と言っていたから、大丈夫だろう・・・なんてことはやっぱりなかった。格式張っていてハイソな雰囲気の「名人会」で「落語家の夢」。この斜に構えたひねくれ具合、僕は大好きだが、他のお客さんたちは一体どう思ったんだろう。
左龍「普段の袴」はGOOD! 前半の殿様の場面の落ち着いた語りと所作はとても清々しい印象を与え、後半のドガチャカと好対照になっている。
さん喬たっぷりの「文違い」は落語と言うより芝居のよう。大熱演だったのだが、僕にはちょっと合わなかった。丁寧な心理描写が少々「やり過ぎ」に感じられ、女郎お杉の騙そうとする執念や騙された後の混乱が生々しすぎるというか、この女ちょっと嫌だなというふうに思えてしまった。これはもう好みの問題だろうけど。